エアコンの暖房運転で部屋がなかなか暖まらない原因は?【対処法も解説】
冬場の暖房シーズンに「エアコンの暖房の効きが悪い気がする・・・」と感じたことはありませんか?冷え切った部屋の中で、暖房が効き始めるのをじっと待っているのは辛いですよね。
この記事では、エアコンの暖房の効きが悪くなっている際に考えられる原因をご紹介します。簡単にできるチェック方法と対処法もご紹介します。
当ブログへのアクセス、ありがとうございます。この記事の著者のタカシー→といいます。
私は空調の仕事に携わった18年の間に、多くの現場でエアコンのメンテナンスや修理を経験してきました。
エアコンについての疑問や困ったことへのアドバイスができますよ。
今回は暖房が効きが悪い際に考えられる原因と対処法についての解説です。
- 第三種冷凍機械責任者取得済み
- RCC登録冷媒回収技術者資格取得済み
最後まで読むとエアコンで暖房の効きが悪くなっている原因と、簡単にできるチェック方法と対処法が分かりますよ!
暖房の効きが悪くて困った時の参考にしてみてください。
暖房の効きが悪い際に考えられる原因と対処法は?
ここでは考えられる原因について、よくある事例をご紹介します。
私がエアコンのサービスマンをしていた時に、よくあった事例です。
順番に確認してみてください。
原因1:室内機に問題がある
1つ目の原因は室内機に問題があるパターンです。エアコンの汚れによって暖房の効きが悪くなることもあります。
室内機のフィルターの汚れ
フィルターにホコリなどが付着していると、抵抗が増えて風の通り道が少なくなります。通り道が少なくなることで、吹き出す温風の風量も少なく(弱く)なり、部屋が温まるのが極端に遅くなります。
フィルターに汚れがある場合は掃除をしましょう。
>>【解決!】家庭用エアコンフィルター掃除の重要性と方法【適切な頻度】
熱交換器の汚れ・詰まり
「フィルターの掃除をしたけど風量が強くならない」という場合は、内部の熱交換器の汚れが影響している可能性があります。フィルターの奥のフィンの表面部分にカビやホコリなどが付着している場合は、クリーニングをする時期になっている可能性が大です。
エアコンクリーニングも視野に入れましょう。
>>【メリットだらけ】エアコンクリーニングの効果と必要性【長寿命化】
原因2:室外機に問題がある
室外機の周辺が荷物や自転車などでふさがれていませんか?障害物があるとエアコンの運転の妨げになってしまいます。
特に室外機前面をふさいでしまうと、効率よく熱交換ができなくなり暖房としての能力が落ちてしまいます。
室外機の前には物を置かないようにしましょう。
原因3:霜取り運転になっている
暖房時はエアコンの運転サイクルの特性上、室外機の前面から冷たい風が出てきます。同時に熱交換器(フィンの部分)がかなりの低温状態になるため、熱交換器を通過する外気が一気に冷やされて霜になって熱交換器を覆います。
霜がつくことで空気の通り道が狭くなってしまいます。
エアコンから温風が出なくなるので「故障かな?」と錯覚してしまうわけです。
この時に部屋のエアコンからは「ザー」「シュー」「コポコポ」という音が聞こえてきます。
「霜取り運転」はどのエアコンにも搭載されています。故障ではありません。
原因4:リモコン設定に問題がある
リモコンの設定によって暖房の効きが悪く感じている場合があります。該当するものがないか、確認してみてください。
設定温度が低すぎる
リモコンの設定温度が【暖房 22℃】だとします。この時、室内の温度が22℃に達するとエアコンから温風は出なくなります。
リモコンの設定温度を上げられるMAXにしてみてください。それでエアコンから温風が出てくるのであれば、設定温度の問題です。
「なんか暖まり方が物足りないな」と思ったら、リモコンの設定温度を確認してみてください。
運転モードを間違えている
リモコンの運転モードは間違えていませんか?
【送風】【冷房】【ドライ】になっていないか確認してみましょう。
風向を上向き設定にしている
暖かい空気は天井付近に溜まりやすくなります。風向を上向きに設定すると、吹き出した温風が天井付近に滞留してしまい、部屋全体が温まらなくなります。
冬場に足元が冷えるのはその影響です。暖房の場合は【下向き】か【自動】にしましょう。
サーキュレーターを使用して部屋の空気をかくはんさせるのも1つの手段ですよ!
風量設定が【弱】になっている
風量は【弱】でも【強】でも、出てくる温風の温度は変わりません。
【弱】だと部屋が暖かるのに時間がかかります。「物足りない・・・」と感じる場合は【強】で使用してみてください。
そもそもエアコンの暖房ってどういう仕組みなの?
エアコン内部には、冷媒ガスという気体になったり液体になったりする性質を持つガスが入っています。
冷媒ガスは、室内機と室外機の間を状態変化をさせながら循環しています。室内機と室外機がパイプで繋がっているのはそのせいです。
冷媒ガスはコンプレッサーという部品で圧縮→凝縮→膨張→蒸発→圧縮というサイクルを繰り返されています。
- 冷媒ガスがコンプレッサーで圧縮されると、高温で高圧の気体になる
- 高温・高圧の冷媒ガスが室内機に流れてくる
- 室内機の熱交換器が高温になる
- 室内機に部屋の空気が吸い込まれる
- 吸い込まれた空気が、高温の熱交換器を通過する
- 熱交換器内で温められた空気が吹き出し口から出る
- 高温・高圧の冷媒ガスが減圧されて室外機に戻る
超ざっくり説明するとこんな感じです。
『給湯器で作られた温水が水道管を通って蛇口から出てくる』イメージですよ!
どうしても症状が改善されないときは?
ここまで解説してきた内容を確認しても改善されない時は、エアコンに何かしらのトラブルが発生している可能性があります。その際はメーカーなどのプロの専門業者にみてもらいましょう。
暖房の効きがイマイチかな?という時点で故障の直前である可能性もありますので、早めの対応をオススメしますよ!